木が伐れない樵の業務日誌

新潟県村上市にある民間の林業会社に勤めている30代男が林業についてつらつら書いてます。

林業の仕事【番外編】

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私は新潟県村上市にある民間の林業会社に勤めていますが、普段はどちらかというと現場よりも事務所にいる時間のほうが長く、毎日パソコンとにらめっこしている日々を送っています。


さて、皆さんは「林業ってなんでこんなに作らにゃいかん書類が多いんだ!」って思うことありませんか?

 

補助金など公的な財源や資源を使わせていただいている手前、事業の妥当性や計画性、安全性などを担保する必要があって、そのためには書き物として残さなくてはいけない、というのはよく理解しているつもりです。

ですが、事務員数が限られている小さな事業体では、現場の準備・管理もしつつ、これらを処理するのはなかなか大変です。そしてうまく回らないと現場を探すことができず、現場欠乏症の自転車操 状態 になります。( そして、何を隠そう弊社もこれに近い状態なっています。) 

本来なら、1~2年先の現場を確保し、いつでも次の現場があります という状態にしておきたいところですが、なかなかうまくいっていません。

このままではいかんと思っているところで、何とか現場にいける時間を確保しなけらればいけません。 

さて、話は変わり皆さんは自分の仕事の中で、「自分がやるべき仕事」と「他の人にもできる仕事」の分類はできていますでしょうか。
 
時間を確保する解決策の一つに、「他の誰かにやってもらう」があります。(なんと他力本願な考え方でしょう。)

人の能力というものは明日から急に倍になる訳ではありません。やっぱり自分の時間を作るには他の人の時間を分けてもらうのが一番手っ取り早いです。

ただ、大切なのは「誰にでも頼めるパッケージ化した仕事を作っておく」ということ。材料と作り方が準備してあって、とはやるだけという仕事を作っておくと、これやっといて!とすることができます。

この「他の人にもできる仕事」=「パケージ化できている仕事」が多ければ多いほど、自分の時間を確保しやすいということになります。 

パッケージ化した仕事の例えとしては、日報管理などがそうです。

日報のデータ収集、集計そして管理をある人に任せるにあたって、その日報の情報は労務管理をはじめ、補助金申請に必要だったり、各現場、各作業種ごとに掛かった人工や生産性の算出に必要なんだという目的を伝え、そしていつでも誰でも使えるようにエクセルでまとめ、このフォルダに年度ことに管理してほしいということも伝えます。

つまりルールを決めるということです。 

しかしながら、パッケージ化するには日報管理のように仕事を抽出することがまず初めの一歩であり、一番難しい所ではないでしょうか。

様々な事柄が関係しあっていて、区切ることができないというのが正直な所です。私も「これは頼めないな~」と思い込み、結局自分で全部やって仕事が増えていくというパターンになりがちです。これでは埒が明かないです。


そこで私は少し乱暴なやり方にチャレンジしてみました。それは「一つ事業の書類作成業務丸ごと任せる」ということ。
少し話はそれますが、書類作成業務を私は以下の4つに分けて考えています。

  1. ルールの把握
    ・森林法をはじめ労働安全規則などのルールの把握
    ・各種補助事業のルールの把握
  2. 情報の収集・集計・管理
    ・森林簿などの情報の収集・管理
    ・日報や生産量など自社データの採取・集計・管理
    ・所有者さん情報の管理
  3. ストーリー作り
    ・事業の趣旨と会社の目的のすり合わせ(妥協点探し)
    ・ポジティブなお話作り(建前と本音のせめぎあい)
  4. 書類作成
    ・バラバラに散らばった情報をまとめる
    ・決まった様式に正しい書式で入力
    ・正確に印刷をする

この中で私が抑えておく必要があるものは、1.ルールの把握と3.ストーリー作り、そして2.情報の収集・集計・管理の大枠の設計です。

あとは私とのやり取りのルールを作り(これがパッケージ化?)、本人にやりながら覚えていってもらうというやり方です。
さて、このやり方は上手くいくでしょうか?というか上手くいってもらわなければ、誰かがつぶれる・・・・。

 

 

追記

ちなみに、今は仕事を任せる相手が人ですが、この「仕事のパッケージ化」ができるとゆくゆくはPCなどの機械にも任せることできると思います。林業界にもIT化・ICT化が進んでいますが、個々の仕事をパッケージ化にできる設計者がいるかいないかで、その効果というものが大きく変わってくるように思います。