木が伐れない樵の業務日誌

新潟県村上市にある民間の林業会社に勤めている30代男が林業についてつらつら書いてます。

1月現代林業の特集を読んで

 1月の現代林業では、林業のICT(情報通信技術:information and communication technology)による情報の共有化について特集が組まれていました。技術の進歩により、山林の資源量と木材の生産量そして現場の進捗状況がリアルタイムに取得できるようになってきましたが、その情報を共有化することによって、林業・製材業にどんなメリットが生まれるのかについてまとめられていました。
 
読んで思ったこと
 
  • これまでは林業(素材生産サイド)は、「今、出している(質・サイズの)材を買ってくれるとこに売る」というなんとも場当たり的な商売(本誌では、変則的見込生産、生産業者事情優先型と分類されています)をしてきましたが、「こんなサイズの、こんな用途に使える材がこのくらいの期間で納品できるので買ってください!」と積極的な営業が出来るようになり、もっと強気に価格交渉が出来るようになると思います。

  • 立木の状態での売り払い先が決まるとなれば、共販市場の役割も変わらざる終えないと思いました。本文のなかでも、品質情報管理と配車システムの管理を担っていくべきと指摘されていていましたが、買い叩かれる市場の現状となかなか材が集まらない(みな直送販売にシフトしている)現状を見ていると変化の必要性が迫られているのは私も感じています。

  • 私が住んでいる地域は、冬に積雪が多く、それに伴い出材量が減ります。こんな地域の短所をこの情報の共有化によって雪が少なく冬でも出材量が減らない地域と組んで、需要量を一定に保つことが出来るのではないかと思いました。

  • 産業として取り残されてきた(いや居座ってきた?)林業も工場ラインの様に正確に目的に合った木材を欲しい時に生産できるようになるんだなと、すごいなーと関心するとともに取り残されないようにしなければとちょっとぴりっとした気分になりました。