木が伐れない樵の業務日誌

新潟県村上市にある民間の林業会社に勤めている30代男が林業についてつらつら書いてます。

やってみるのが一番だけど、やらずにいかに理解するか

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今、入っている間伐の現場では、作業道を開設したのですが、今回はそのルートを決める時のことについて。

 

 この作業道というのは、重機で山を削って作っていく、舗装も基本的には行わない簡易的な道になります。ですが、この作業道使って伐った木を出したり、目的地に向かったりするため、どこを通るのかによって現場の作業スピード・効率性・収益性が大きく変わってきます。ですので作業道のルート決めは重要なパートになります。もちろん、やたらめったら道を作ったらいいものではなく、最短の長さで、できるだけ広いエリアの間伐材が出せて(木を倒したときにどこかの道に掛かり材を出すことができる)、将来性(隣の現場につなげやすい、管理がしやすいなど)のあるものにしなければいけません。これらのことを踏まえながら、現地の状況を考慮して決めていきます。

 

 私は、森林所有者さんの意向や会社の方針や経営者の考えを聞く機会があり、そして補助金の制度や間伐の意味合いや理屈を理解しています。

 一方、現場の方たちは、実際に行う作業のやりにくさ、危険性、スピード感など作業の明確なイメージ(経験)を持っています。

 

 作業道のルート決めはこの双方の考えがぶつかります。

 今回の現場では、「来年度の現場(今の現場と同じ森林所有者さんの山)へ行けるようにする」という目的に重きを置きすぎてしまい、道に向けての伐倒が難しく、搬出できない木が出てくるルートになりました。ルートを決める際は現場で意見のやり取りをしましたが最終的には、私の考え(来年度の現場へ行けるようにしたい)を尊重してもらったルートで決定しました。

 

このルートだど作業が大変になることは、作業員の方たちは分かっていたのでしょう。ですが私の方は認識が甘く、道を作ったあと、実際に苦労して伐っているところを見て初めてわかりました。

 

両者の意見の重要性に優先順位をつける際、いかに両者のリアルな部分やその背景を理解しているか、これが出来ている上で判断が下せるようになりたいものです。

 

反省と改善

○ もっと現場の人とコミュニケーションを取ろう

            →意見を引き出そう

            →自分の意見も理解してもらえるように努力しよう

○ もっと話し合う時間と場を作ろう

            →現場の準備・段取りを開始するタイミングを早めよう

○ もっと現場のことを知ろう

            →現場のセオリー、苦労するポイントを知ろう。                     

 つまり、「もっと頻繁に現場に足を運ぼう」です。                

「百聞は一見に如かず」です。そして、現場に行くと作業員さん達は朝のミーティングよりおしゃべりになり、百聞分の話が聞けるのです。