木が伐れない樵の業務日誌

新潟県村上市にある民間の林業会社に勤めている30代男が林業についてつらつら書いてます。

「にいがた酒の陣」ならぬ「にいがた杉の陣」はできるのか

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先月新潟でありました、『にいがた酒の陣2018』に行って来ました。

約90の酒蔵と500種類以上の酒が集結するこのイベント。酒も集まりますが、酒好きも集まり、数千人が一斉に酔いだす光景はいつ見ても圧巻であります。

うまい酒、うまい飯、おもしろい人に出会えるイベント。最高であります。

 

そんな様々な蔵のブースが出ている会場をお猪口を片手にほろ酔いでプラプラ歩いていて、ふと思いました。

「原料はみな同じ米と水なのに、よくまあこんなに色々な特色、ブランド、価値が生まれるものだな」と。

 

そして「これがスギ材だったらどうなるだろう。『にいがた杉の陣』はできるだろうか」と。

 

酒が「新潟の酒」ではなく、銘柄で呼ばれるように、「国産のスギ材」から「新潟のスギ材」そして商品名で呼ばれる日が来るのだろうか。

 

以前、建築関係の知り合いでこんなことをおっしゃっていた方がいました。「家を建てる時、各部材を施主がカスタマイズできるようにしたい」と。

「柱はどこどこ県産の〇〇製材所の××柱をつかって、梁はどこどこで、腰板はどこどこみたいに」 

こんな風に、家の部材に各企業がフォーカスして地元の素材を生かした商品、ブランド、価値を生み出し、特色で勝負していく。そして「選べる」という状態を作り出していく。

「選ぶ」ということは「選ばれる」ために競争が生まれ、それが業界全体の価値を高めていくと思います。

 

コストを下げて利益を確保するだけではなく、価値を高めて売上高を増やし、利益率を上げていく。そんな動きがもっと活発になった結果、『にいがた杉の陣』が出来上がっていくのでしょうか。

 

そして、その中で樵はどうやって存在感を出していけばいいのだろうか。