木が伐れない樵の業務日誌

新潟県村上市にある民間の林業会社に勤めている30代男が林業についてつらつら書いてます。

林業とは?

私の周りにいる林業の諸先輩方は、今流行りの「低コスト型利用間伐」は林業じゃないと口をそろえて言っています。(ここで言う「低コスト型利用間伐」とはプロセッサーなど機械による造材を行い、木取りもB、C材を中心に機械的作業にし、一現場にかける時間と人工をできるだけ削減させ、かつ出材量を稼ぐ利用間伐のことを指しています。)
 
先輩方も経費を最小限にするという点は同意できるみたいなのですが、機械的な造材については、賛同できないようです。「あんな木取りだったら土建業者でもできるわ!!」と言っています。
 
「一本の木から最大限の売上を出せる木取りをする」
そのためには材質を見極める目を持たなくてはいけない、今売れ筋商品の市場の動向について熟知しておかなければいけない。
 
林業って長年培われた経験と勘でこなしていく部分が多い業種だと思うんです。ただ、今は技術が進歩してすぐにできるようになってしまっている。そしてそれに伴ってニーズも変化(質→量)し、売り上げの出し方も多様化(売上増大型・コスト削減型)している。
 
わたしは、どちらも林業だと思います。実際両方のやり方で経営が成り立っているのですから。この違いは林の林齢や質の違いが大きく関係しているのではないでしょうか。この地域はありがたいことに利用間伐でも用材が取れる山が多いのです。
 
ただ、「あんな木取りだったら土建業者でもできるわ!!」という言葉が頭にずっと残っているのです。確かに最近バイオマスが盛んになったせいが、土建業者などほかの業者さんが林業に参入してきています。林業を行うハードルが良くも悪くも低くなってきているのです。
 
林業アイデンティティーってなんでしょう?林業の特殊技能って何でしょう?
 
 
売りにできるもの(個性)をしっかり持って林業をやっていきたいものです。